むくみの原因
むくみとは簡単に言うと、余分な体液が溜まってしまう状態です。
原因として挙げられるのは主に3つあります。
【筋力不足】
体には常に重力がかかっています。そのため、座っているときも立っているときも、体液は足へ下がりやすい状態になります。
ふくらはぎの筋肉は収縮したり弛緩(しかん)したりすることでポンプの役割を果たし、体の末端から心臓の方へ血液や体液を押し戻しています。しかし、ふくらはぎの筋力が弱かったり動きが少なかったりすると血液を押し戻す力が弱くなり、足に血液やリンパが滞ってしまいます。これが、足がむくむ原因とされています。長時間座っていると足がむくむのは、筋肉を動かさないことにより血液循環が悪くなることによって起こります。
また、男性と比べて筋力が弱い女性は足がむくみやすいという理由もあります。
【塩分過多】
体は体液の濃度を一定に保とうとします。塩分が多量に入ってくればそれを薄めようと水分を溜め込み、濃度を一定にしようとするため結果的にむくみとなります。そのため塩辛いものを食べると喉が渇くという状態になります。
改善方法
筋肉不足によるものとしては、筋肉量を増やしてあげることです。そのためトレーニングが必要となってきます。
塩分過多によるものとしては、塩分を適切に摂取すること、塩分を過剰に摂取してしまった場合はカリウムの多い食品を積極的にとる(バナナやアボカドなど)
ということを心がけましょう。
浸透圧と浸透とむくみ
まずは「浸透」とは2種類の濃度が違う水が薄い膜(半透膜)を挟み別々に存在している際に、その2種類が同じ濃度になろうとして水が移動した事を指します。
水が移動するのは濃度の薄い方から濃い方に移動します。
濃度を薄めるためです。
「A|A」 ※Aは水です。
は同じ濃度です。この時は濃度が変らないので何も起りません。
片方に塩を入れます。A+とします。
A|A → A|A+ に変りました。
この時A+の方の濃度が高くなるので、
A→A+に水が浸透します。
濃度を薄くするためです。
ここからは「浸透圧」
上記図でA+に水が浸透しました。
と言うことは2種類の水の質量が変化します。
10|10 だったのが、薄めるために 7|13 に質量が変りました。
水の量に差が生まれます。この図で言うと「6」の差が生まれます。この差は圧力差になり
この圧力を「浸透圧」と呼びます。
むくみとの関係性とは
人間の身体は約60%が水分で出来ています。このうち3/2は細胞内、残りの3/1は血液と
細胞の周りにある水になります。この時浸透圧のバランスが崩れると、細胞内の水分が浸透し細胞の周りの
水分の濃度が高くなるため浸透圧の差が生まれ、むくんだ状態になります。
なぜ浸透圧のバランスが崩れるかと言うと塩分の多い食事をすると細胞の周りが水分の濃度が高くなります。
薄めなくてはいけませんね、細胞の内側から水分を取り込もうとします。よって細胞外の水分量が多くなります。
そのため身体はより多くの水分が必要になります。水が悪いわけではありませんむしろしっかりと飲んだ方が
いいです。問題なのは塩分の摂りすぎで身体にため込みやすい状態を作り出してしまうことです。
7グラムの塩分を摂取しそれを薄めるのに1リットルの水が必要になります。
絶えず必要量以上の塩分を取り過ぎると過剰に水分を摂り、排出されずに身体に
余分にたまってむくみに繋がっていきます。
顔や、足に現れるので塩分の摂る量を減らせればむくみはもちろん、体重が落ちすっきりしてきます。
まとめ
様々な原因によって発症する「むくみ」ですが、トレーニングや食事管理をしっかり行うことによって防ぐことが可能です。
しかし、症状がひどい場合や慢性的に発症する場合は病気が要因となっていることがあるので、医療機関を受診していただくことをお勧めします。
細胞の浸透圧から、むくみの正体、塩分が関係している事が少しでも分って頂ければと思います。
浸透圧は難しい内容だと思いますが、知って損はないかなと思います。
因みに漬け物も浸透圧を利用して作られます。塩辛い漬け物も食塩水につけると味が薄くなり、風味はそのままでおいしくいただけます。